区分所有法第46条の14は、管理不全共用部分管理命令について、第46条の9〜第46条の12のルールを準用することを定めた条文です。難しい条文ですが、「何が準用されるか」を整理すれば理解しやすくなります。
条文
(管理不全共用部分管理命令等への準用)
第四十六条の十四
第四十六条の九から第四十六条の十二までの規定は、管理不全共用部分管理命令及び管理不全共用部分管理人について準用する。この場合において、これらの規定中「管理不全専有部分等」とあるのは「管理不全共用部分等」と、第四十六条の九第一項中「専有部分並びに」とあるのは「共用部分及び」と、「動産並びに共用部分及び附属施設に関する権利並びに敷地利用権」とあるのは「動産」と、同条第四項中「専有部分の」とあるのは「共用部分の」と、「区分所有者」とあるのは「所有者」と、第四十六条の十二第二項中「の所有者の負担とする」とあるのは「を共有する者が連帯して負担する」と読み替えるものとする。
今回学ぶポイント
- 第46条の9〜12を共用部分にも準用
- 準用される内容は「権限・義務・解任/辞任・報酬等」
- 共用部分特有の読み替え(連帯負担)が重要
解説
1項|何が準用される?
第四十六条の十四第一項
第四十六条の九から第四十六条の十二までの規定は、管理不全共用部分管理命令及び管理不全共用部分管理人について準用する。
この条文では、第46条の9〜第46条の12までのルールを、共用部分にも使う(準用する)と定めています。
つまり、管理不全専有部分管理人のルールを、共用部分版でも使うイメージです。
準用される条文一覧
- 第46条の9|管理不全共用部分管理人の権限
- 第46条の10|管理不全共用部分管理人の義務
- 第46条の11|管理不全共用部分管理人の解任・辞任
- 第46条の12|管理不全共用部分管理人の報酬等
① 第46条の9(権限)を準用
第46条の9のルールが準用されるため、「専有部分」は「共用部分」に読み替えられます。
管理不全共用部分管理人には、共用部分や対象動産の管理・処分権限があります。
また、議決権は行使できません。
さらに、一定範囲を超える行為には、裁判所の許可が必要になります。
② 第46条の10(義務)を準用
管理不全共用部分管理人は、善良な管理者の注意(善管注意義務)をもって権限を行使しなければなりません。
また、共有の場合には、共有者全員のために、誠実かつ公平に権限を行使する必要があります。
③ 第46条の11(解任・辞任)を準用
管理不全共用部分管理人は、任務違反による著しい損害などがある場合に解任されることがあります。
また、辞任には裁判所の許可が必要です。
④ 第46条の12(報酬等)を準用
管理不全共用部分管理人は、裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができます。
また、管理に必要な費用及び報酬は、共有者が負担します。
共用部分の場合の特有の注意点
共用部分では、一部読み替えがある点に注意です。
特に重要なのが、第46条の12第2項の読み替えです。
専有部分では、「所有者の負担」でした。
しかし、共用部分では、「共有する者が連帯して負担する」に変わります。
つまり、共用部分なので、共有者全員が責任を負うという点が大きな違いです。
また、第46条の9第4項の「区分所有者」→「所有者」など、条文上の読み替えも行われる点に注意しましょう。
試験ポイント
- 第46条の9〜12を準用
- 「専有部分」→「共用部分」へ読み替え
- 議決権は行使できない
- 辞任には裁判所の許可が必要
- 費用・報酬は「共有者が連帯して負担」
練習問題
問題1
管理不全共用部分管理人は、集会において議決権を行使することができる。
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答え:×
管理不全共用部分管理人についても、第46条の9のルールが使われるため、議決権を行使することはできません。
問題2
管理不全共用部分等の管理に必要な費用及び報酬は、共有持分割合に応じて負担する。
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答え:×
共用部分では、「共有する者が連帯して負担する」と読み替えられます。
つまり、共有持分割合ではなく、共有者全員が連帯して負担します。
問題3
管理不全共用部分管理人が辞任するには、区分所有者又は管理組合の承諾が必要である。
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答え:×
管理不全共用部分管理人が辞任するには、裁判所の許可が必要です。
区分所有者や管理組合の承諾ではありません。
問題4
管理不全共用部分管理人は、善良な管理者の注意をもって権限を行使しなければならない。
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答え:○
管理不全共用部分管理人についても、善管注意義務が適用されます。
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