区分所有法第39条は、集会でどのように決議を行うかを定めた条文です。普通決議の基本ルールや、書面・代理人・電磁的方法による議決権行使について定めています。試験では、「出席した」がキーワードになります。
条文
(議事)
第三十九条
集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する。
2 議決権は、書面又は代理人によつても行使することができる。この場合において、書面又は代理人によつて議決権を行使した区分所有者の数は出席した区分所有者の数に、当該議決権の数は出席した区分所有者の議決権の数に、それぞれ算入する。
3 区分所有者は、規約又は集会の決議により、前項の規定による書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によつて議決権を行使することができる。この場合においては、電磁的方法による議決権の行使を書面による議決権の行使とみなして、同項後段の規定を適用する。
今回学ぶポイント
- 普通決議=出席者・出席議決権の各過半数
- 書面・代理人による議決権行使は当然可能
- 電磁的方法は「規約 or 集会決議」が必要
解説
1項
集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する。
まず、「議事」とは、集会で話し合われる内容や、その決定事項のことです。
例えば、修繕工事を行うか、管理費の予算をどうするかなどを話し合うことを指します。
そして、第39条1項では、集会の議事は、原則として出席した区分所有者及び議決権の各過半数で決議すると定めています。
ここでのキーワードは、「出席した」です。
つまり、全区分所有者ではなく、出席した区分所有者数と、出席した議決権数を基準に判断します。
- 出席した区分所有者 → 過半数
- 出席した議決権 → 過半数
この各過半数で決議する方法を、「普通決議」といいます。
なお、区分所有法では、4分の3以上や5分の4以上を必要とする「特別決議」もあります。普通決議との違いに注意しましょう。
また、条文には「この法律又は規約に別段の定めがない限り」とあります。
これは、区分所有法や規約に特別な決議要件が定められている場合は、そちらが優先されるという意味です。
規約だけではないということが注意点です。
つまり、第39条の「出席者・出席議決権の各過半数」は、あくまで原則ルール(普通決議)ということです。
2項
議決権は、書面又は代理人によつても行使することができる。この場合において、書面又は代理人によつて議決権を行使した区分所有者の数は出席した区分所有者の数に、当該議決権の数は出席した区分所有者の議決権の数に、それぞれ算入する。
2項では、議決権の行使方法を定めています。
議決権は、集会へ直接出席して行使するだけでなく、次の方法でも行使できます。
- 書面による行使
- 代理人による行使
そして、これらの方法で議決権を行使した場合、出席した区分所有者数・議決権数に算入されます。
また、書面行使や代理人行使は、当然に認められている制度です。そのため、規約に定めがなくても行うことができます。
3項
区分所有者は、規約又は集会の決議により、前項の規定による書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によつて議決権を行使することができる。この場合においては、電磁的方法による議決権の行使を書面による議決権の行使とみなして、同項後段の規定を適用する。
3項は少しややこしいですが、ポイントは電磁的方法による議決権行使には条件があるということです。
2項の書面行使・代理人行使は、規約がなくても当然に認められています。
しかし、電磁的方法(メール・インターネット等)による議決権行使は、次の場合に限って可能です。
- 規約で認めた場合
- 集会の決議で認めた場合
ここが試験でよく狙われるポイントです。規約だけでなく、「集会の決議」でも認めることができる点に注意しましょう。
また、電磁的方法で議決権を行使した場合も、書面行使と同様に、出席区分所有者数・議決権数へ算入されます。
| 議決権行使の方法 | 規約・決議が必要? |
|---|---|
| 直接出席 | 不要 |
| 書面 | 不要 |
| 代理人 | 不要 |
| 電磁的方法 | 必要(規約 or 集会決議) |
試験ポイント
- 普通決議=出席区分所有者・出席議決権の各過半数
- 「出席した」がキーワード
- 普通決議は規約で変更可能(厳格化・緩和OK)
- 書面行使・代理人行使は規約不要
- 電磁的方法は「規約 or 集会決議」が必要
- 電磁的方法も出席数・議決権数に算入される
練習問題
問題1
普通決議は、全区分所有者及び全議決権の各過半数で決する。
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答え:×
第39条1項では、出席した区分所有者及び出席議決権の各過半数で決すると定めています。全区分所有者ではありません。「出席した」が重要です。
問題2
代理人による議決権行使は、規約に定めがある場合に限り認められる。
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答え:×
代理人による議決権行使は、2項により当然に認められています。規約の定めは不要です。
問題3
電磁的方法による議決権行使は、規約の定めがなければ認められない。
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答え:×
規約だけでなく、集会の決議によっても電磁的方法を認めることができます。ここは試験で狙われやすいポイントです。
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