区分所有法第46条の13は、共用部分の管理が不適切な場合に、裁判所が管理不全共用部分管理人を選任して管理させる制度を定めた条文です。第46条の8(管理不全専有部分管理命令)の共用部分版と考えると理解しやすいです。
条文
(管理不全共用部分管理命令)
第四十六条の十三
裁判所は、区分所有者による共用部分の管理が不適当であることによつて他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、当該共用部分を対象として、第三項に規定する管理不全共用部分管理人による管理を命ずる処分(以下「管理不全共用部分管理命令」という。)をすることができる。
2 管理不全共用部分管理命令の効力は、当該管理不全共用部分管理命令の対象とされた共用部分にある動産(当該管理不全共用部分管理命令の対象とされた共用部分の所有者又はその共有持分を有する者が所有するものに限る。)に及ぶ。
3 裁判所は、管理不全共用部分管理命令をする場合には、当該管理不全共用部分管理命令において、管理不全共用部分管理人を選任しなければならない。
今回学ぶポイント
- 共用部分にも管理不全命令が出せる
- 請求できるのは利害関係人、命令するのは裁判所
- 共用部分にある動産にも効力が及ぶ
解説
1項|管理不全共用部分管理命令とは?
第四十六条の十三第一項
裁判所は、区分所有者による共用部分の管理が不適当であることによつて他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、当該共用部分を対象として、第三項に規定する管理不全共用部分管理人による管理を命ずる処分(以下「管理不全共用部分管理命令」という。)をすることができる。
この条文は、共用部分の管理状態が悪く、他人に被害が出る場合に、裁判所が管理人を付けて管理させる制度です。
第46条の8(管理不全専有部分管理命令)の共用部分版と考えると理解しやすいです。
ただし、単に「管理が悪い」だけでは足りません。
- 他人の権利が侵害される
- 法律上保護される利益が侵害される
- 又は侵害されるおそれがある
といった事情が必要になります。
また、請求できるのは利害関係人であり、命令を出すのは裁判所です。
なお、条文は「することができる」としているため、裁判所が必ず命令しなければならないわけではありません。

2項|効力は共用部分にある動産にも及ぶ
第四十六条の十三第二項
管理不全共用部分管理命令の効力は、当該管理不全共用部分管理命令の対象とされた共用部分にある動産(当該管理不全共用部分管理命令の対象とされた共用部分の所有者又はその共有持分を有する者が所有するものに限る。)に及ぶ。
管理不全共用部分管理命令の効力は、共用部分だけでなく、共用部分にある動産にも及びます。
ただし、何でも対象になるわけではありません。
対象となる共用部分の所有者又は共有持分を有する者が所有するものに限られます。
つまり、関係のない第三者の動産まで対象になるわけではない点に注意しましょう。
3項|管理命令を出すなら管理人も選任
第四十六条の十三第三項
裁判所は、管理不全共用部分管理命令をする場合には、当該管理不全共用部分管理命令において、管理不全共用部分管理人を選任しなければならない。
裁判所が管理不全共用部分管理命令を出す場合、管理不全共用部分管理人も選任しなければなりません。
つまり、命令だけ出して終わりではなく、実際に管理を行う人まで裁判所が決める仕組みです。
また、管理人を選任するのは、管理組合ではなく裁判所という点に注意しましょう。
試験ポイント
- 第46条の8(専有部分版)の共用部分版
- 請求できるのは利害関係人、命令するのは裁判所
- 「することができる」=裁判所の義務ではない
- 効力は共用部分にある動産にも及ぶ
- ただし、対象所有者等の動産に限る
- 命令を出すなら管理人選任が必要
練習問題
問題1
管理不全共用部分管理命令は、共用部分の管理が不適当であれば、他人の権利侵害のおそれがなくても出すことができる。
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答え:×
単に管理が悪いだけでは足りません。他人の権利又は法律上保護される利益の侵害(又はそのおそれ)が必要です。
問題2
管理不全共用部分管理命令を出す場合、管理組合は管理不全共用部分管理人を選任しなければならない。
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答え:×
管理不全共用部分管理人を選任するのは裁判所です。管理組合ではありません。
問題3
管理不全共用部分管理命令をする場合、管理不全共用部分管理人を選任するのは裁判所である。
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答え:○
裁判所が管理不全共用部分管理命令を出す場合、管理不全共用部分管理人も選任しなければなりません。
選任するのは管理組合ではなく裁判所です。ここは試験で狙われやすいポイントです。

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