区分所有法第55条の7〜第55条の9では、清算中の債権者対応や破産手続について定めています。
特に、公告回数・期間・官報など数字の論点は試験で狙われやすいポイントです。
条文
(債権の申出の催告等)
第五十五条の七
清算人は、その就職の日から二月以内に、少なくとも三回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、二月を下ることができない。
2 前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。
3 清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
4 第一項の公告は、官報に掲載してする。
(期間経過後の債権の申出)
第五十五条の八
前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、管理組合法人の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。
(清算中の管理組合法人についての破産手続の開始)
第五十五条の九
清算中に管理組合法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになつたときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない。
2 清算人は、清算中の管理組合法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。
3 前項に規定する場合において、清算中の管理組合法人が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。
4 第一項の規定による公告は、官報に掲載してする。
今回学ぶポイント
- 55条の7は「2か月・3回公告・官報」が重要
- 知れている債権者は除斥できない
- 遅れた債権者は余った財産のみ請求可
- お金が足りないなら直ちに破産申立て
55条の7〜55条の9の全体像
- 55条の7 → 債権者へ申出催告(官報・3回・2か月)
- 55条の8 → 遅れた債権者は余りだけ請求可
- 55条の9 → 足りないなら直ちに破産申立て
解説
55条の7 第1項|債権の申出の催告
清算人は、その就職の日から二月以内に、少なくとも三回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、二月を下ることができない。
この項は、債権者へ名乗り出るよう通知する手続について定めています。
清算人は、就任の日から2か月以内に、少なくとも3回の公告をして、債権者へ
「債権があるなら申し出てください」
と催告しなければなりません。
また、債権申出期間は、2か月を下ることはできません。
つまり、清算人は債権者を探し、申し出る機会を与える義務があるという条文です。
55条の7 第2項|申出しない債権者の扱い
前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。
この項は、期限内に申し出なかった債権者の扱いについて定めています。
公告には、
「期間内に申し出ないと、清算から除斥(除外)される」
と書かなければなりません。
ただし、知れている債権者(把握している債権者)は除斥できません。
つまり、知っている債権者を無視することはできないという条文です。
55条の7 第3項|知れている債権者への通知
清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
この項は、知れている債権者への通知方法について定めています。
清算人は、知れている債権者には、個別に通知(各別催告)しなければなりません。
つまり、公告だけでは足りず、個別連絡が必要ということです。
55条の7 第4項|公告方法
第一項の公告は、官報に掲載してする。
この項は、公告方法について定めています。
公告は、官報に掲載して行います。
つまり、ネット掲示や掲示板ではなく官報です。
55条の8|期間経過後の債権の申出
前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、管理組合法人の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。
この条文は、遅れて申し出た債権者の扱いについて定めています。
期限後に申し出た債権者は、自由に請求できるわけではありません。
管理組合法人の債務が完済された後で、かつ、まだ引き渡されていない財産に対してのみ請求できます。
つまり、「余りがあれば請求できる」程度と覚えると整理しやすいです。
55条の9 第1項|破産手続開始の申立て
清算中に管理組合法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになつたときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない。
この項は、清算中にお金が足りなくなった場合について定めています。
清算中に、法人財産では債務を完済できないことが明らかになった場合、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければなりません。
また、その旨を公告しなければなりません。
つまり、「払えない」と分かったら、すぐ破産申立てです。
55条の9 第2項|清算人の任務終了
清算人は、清算中の管理組合法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。
この項は、清算人の仕事が終わる場合について定めています。
管理組合法人が破産手続開始決定を受け、清算人が破産管財人へ事務を引き継いだときは、清算人の任務は終了します。
つまり、バトンタッチしたら清算人は終了ということです。
55条の9 第3項|破産管財人の取戻し
前項に規定する場合において、清算中の管理組合法人が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。
この項は、破産管財人の取戻権について定めています。
清算中に既に債権者へ支払いや財産引渡しが行われていた場合でも、破産管財人は取り戻すことができます。
つまり、不公平な支払いを調整するために取り戻せるという条文です。
55条の9 第4項|公告方法
第一項の規定による公告は、官報に掲載してする。
この項は、破産申立て時の公告方法について定めています。
公告は、官報に掲載して行います。
ここも「官報」がポイントです。
解説図

試験ポイント
- 55条の7は「2か月以内」「3回公告」「期間2か月以上」「官報」
- 知れている債権者は除斥不可+個別通知必要
- 遅れた債権者は余った財産のみ請求可
- 足りないと判明したら「直ちに」破産申立て
- 破産管財人へ引継ぎで清算人終了
練習問題
問題1(55条の7第1項)
清算人は、就任の日から3か月以内に、少なくとも1回の公告をして債権者へ申出を催告しなければならない。
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答え:×
解説:
55条の7第1項では、
- 就任の日から2か月以内
- 少なくとも3回の公告
が必要です。
数字のひっかけに注意です。
問題2(55条の7第1項)
債権の申出期間は、2か月を下ることができない。
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答え:○
解説:
55条の7第1項では、債権申出期間は2か月以上必要です。
2か月を下回る短縮はできません。
問題3(55条の7第2項)
公告には、期間内に申し出ない債権者は清算から除斥される旨を記載しなければならない。
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答え:○
解説:
55条の7第2項では、
「申出しないと清算から除斥される」
旨を公告に記載する必要があります。
問題4(55条の7第2項)
知れている債権者であっても、期間内に申出をしなければ清算から除斥することができる。
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答え:×
解説:
知れている債権者は除斥できません。
把握している債権者を無視することはできないためです。
問題5(55条の7第3項)
知れている債権者に対しては、公告のみで足り、個別通知は不要である。
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答え:×
解説:
55条の7第3項では、知れている債権者には個別催告(各別催告)が必要です。
公告だけでは足りません。
問題6(55条の7第4項)
55条の7第1項の公告は、官報に掲載して行う。
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答え:○
解説:
公告方法は、官報掲載です。
ネット掲示や掲示板ではありません。
問題7(55条の8)
期間後に申出をした債権者は、管理組合法人の財産に対して自由に請求できる。
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答え:×
解説:
期限後の債権者は、
- 債務完済後
- まだ引き渡されていない財産
に対してのみ請求できます。
つまり、余りがある場合のみです。
問題8(55条の9第1項)
清算中に管理組合法人の財産が債務を完済するのに足りないことが明らかになった場合、清算人は直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。
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答え:○
解説:
55条の9第1項では、債務を払えないことが明らかになった場合、直ちに破産手続開始の申立てをしなければなりません。
また、公告も必要です。
問題9(55条の9第2項)
清算中の管理組合法人が破産手続開始決定を受けた場合、清算人は破産管財人へ事務を引き継ぐまで任務を終了しない。
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答え:○
解説:
55条の9第2項では、破産管財人へ事務を引き継いだときに、清算人の任務は終了します。
つまり、引継ぎ前は終了しません。
問題10(55条の9第3項)
清算中に既に債権者へ支払いが行われていた場合でも、破産管財人はこれを取り戻すことができる。
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答え:○
解説:
55条の9第3項では、既に支払いや財産引渡しがされていても、破産管財人は取り戻すことが可能です。
問題11(55条の9第4項)
55条の9第1項の公告は、官報に掲載して行う。
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答え:○
解説:
55条の9第4項では、公告方法は官報掲載とされています。
ここも数字・官報のひっかけに注意です。

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