区分所有法第51条〜第52条の2では、監事の代表権、管理組合法人の事務執行、区分所有権等の取得について定めています。
特に、52条の2の決議要件と取得できる対象は試験でも狙われやすいポイントです。
条文
(監事の代表権)
第五十一条
管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する。
(事務の執行)
第五十二条
管理組合法人の事務は、この法律に定めるもののほか、すべて集会の決議によつて行う。ただし、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項及び第五十七条第二項に規定する事項を除いて、規約で、理事その他の役員が決するものとすることができる。
2 前項の規定にかかわらず、保存行為は、理事が決することができる。
(区分所有権等の取得)
第五十二条の二
管理組合法人は、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うために必要な場合には、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三以上の多数による決議をすることによつて、当該建物の区分所有権又は当該建物及び当該建物が所在する土地と一体として管理若しくは使用をすべき土地を取得することができる。
2 管理組合法人は、前項の規定により区分所有権を取得した場合であつても、第三十八条の規定にかかわらず、当該管理組合法人の集会における議決権を有しない。
今回学ぶポイント
- 利益相反の場合は監事が法人を代表する
- 法人の事務は原則として集会決議
- 保存行為は理事が決定できる
- 一定の決議で区分所有権等を取得できる
- 取得しても議決権は持たない
第51条〜第52条の2の全体像
- 51条 → 利益相反なら監事代表
- 52条1項 → 原則は集会決議
- 52条2項 → 保存行為は理事決定OK
- 52条の2第1項 → 区分所有権等の取得
- 52条の2第2項 → 取得しても議決権なし
この記事では、まず解説部分を確認します。
解説
51条|監事の代表権
管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する。
この条文は、監事の代表権について定めています。
監事が管理組合法人を代表する場合があります。
それは、管理組合法人と理事との利益が相反する事項についてです。
この場合は、監事が管理組合法人を代表します。
つまり、理事と法人の利害が対立する場面では、理事ではなく監事が代表するという条文です。
「利益相反」がポイントです。
52条1項|事務執行の原則
管理組合法人の事務は、この法律に定めるもののほか、すべて集会の決議によつて行う。ただし、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項及び第五十七条第二項に規定する事項を除いて、規約で、理事その他の役員が決するものとすることができる。
この項は、管理組合法人の事務執行について定めています。
管理組合法人の事務は、原則として集会の決議によって行います。
ただし、次の事項を除いて、規約で理事その他の役員が決めることができると定めることもできます。
- 法律で特別の定数が定められている事項
- 第57条2項の事項
第57条2項は、共同の利益に反する行為をした区分所有者に対して、専有部分の使用禁止を請求する決議を指します。
つまり、原則は集会決議ですが、一部は規約で役員決定にできるという条文です。
52条2項|保存行為
2 前項の規定にかかわらず、保存行為は、理事が決することができる。
この項は、保存行為について定めています。
保存行為については、理事が決することができます。
つまり、保存行為は集会決議を経なくても理事が決められるという条文です。
52条の2 第1項|区分所有権等の取得
管理組合法人は、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うために必要な場合には、(略)決議をすることによって、当該建物の区分所有権又は当該建物及び当該建物が所在する土地と一体として管理若しくは使用をすべき土地を取得することができる。
この項は、管理組合法人による区分所有権等の取得について定めています。
管理組合法人は、建物等の管理に必要な場合に限り、一定の決議を経ることで、区分所有権等を取得できます。
決議要件は、次のとおりです。
出席要件
- 区分所有者の過半数
- 議決権の過半数
決議要件
- 出席区分所有者の4分の3以上
- 出席議決権の4分の3以上
また、規約でより厳しい割合を定めることも可能です。
取得できるものは、次のものです。
- 建物の区分所有権
- 建物及び建物が所在する土地と一体として管理・使用すべき土地
つまり、一定の厳しい決議を経れば、管理組合法人も区分所有権等を取得できるという条文です。
52条の2 第2項|議決権なし
2 管理組合法人は、前項の規定により区分所有権を取得した場合であつても、第三十八条の規定にかかわらず、当該管理組合法人の集会における議決権を有しない。
この項は、取得した区分所有権の議決権について定めています。
管理組合法人が、この方法で区分所有権を取得した場合でも、集会の議決権は持ちません。
簡単に言えば、この方法で取得した場合は、絶対に議決権がないということです。
第38条では、区分所有者は持分割合に応じて議決権を持つことが原則です。
ただし、管理組合法人がこの方法で取得した区分所有権については例外として、議決権を持たないとされています。

練習問題
問題1(51条)
監事は、管理組合法人と理事との利益が相反する事項について、管理組合法人を代表する。
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答え:○
解説:
51条では、利益相反事項については、監事が管理組合法人を代表すると定めています。
問題2(52条1項)
管理組合法人の事務は、すべて理事その他の役員が決定する。
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答え:×
解説:
52条1項では、原則として集会の決議によって行います。
問題3(52条1項)
管理組合法人の事務は、規約で定めれば、法律で特別の定数が定められている事項についても理事その他の役員が決定できる。
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答え:×
解説:
法律で特別の定数が定められている事項は除かれます。
規約で役員決定に変更することはできません。
問題4(52条1項)
第57条2項(共同の利益に反する行為をした区分所有者に対する専有部分の使用禁止請求)の事項については、規約で理事その他の役員が決定するものと定めることはできない。
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答え:○
解説:
第57条2項の事項は、専有部分の使用禁止請求に関するものです。
52条1項では、こうした事項については除外されているため、規約で理事その他の役員が決定するものと定めることはできません。
問題5(52条2項)
保存行為については、理事が決することができる。
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答え:○
解説:
52条2項では、保存行為は理事が決することができるとされています。
問題6(52条の2第1項)
管理組合法人は、自由に区分所有権を取得することができる。
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答え:×
解説:
建物等の管理に必要な場合に限り、一定の決議を経て取得できます。
問題7(52条の2第1項)
管理組合法人が区分所有権等を取得するには、区分所有者及び議決権の過半数が出席し、出席者及び出席議決権の各4分の3以上の決議が必要である。
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答え:○
解説:
出席要件は、区分所有者過半数+議決権過半数、決議要件は、各4分の3以上です。
問題8(52条の2第1項)
管理組合法人は、建物の区分所有権のみ取得することができ、土地を取得することはできない。
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答え:×
解説:
取得できるのは、
- 建物の区分所有権
- 建物及び建物が所在する土地と一体として管理・使用すべき土地
です。
問題9(52条の2第2項)
管理組合法人が52条の2第1項(管理組合法人の区分所有権等の取得)の方法により区分所有権を取得した場合、その区分所有権について議決権を有する。
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答え:×
解説:
52条の2第1項(管理組合法人の区分所有権等の取得)の方法で取得した区分所有権については、議決権を有しません。
問題10(52条の2第2項)
管理組合法人が52条の2第1項(管理組合法人の区分所有権等の取得)により取得した区分所有権については、第38条の原則の例外として議決権を持たない。
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答え:○
解説:
第38条では、原則として区分所有者は持分割合に応じて議決権を持ちます。
ただし、52条の2第1項(管理組合法人の区分所有権等の取得)の方法で取得した区分所有権については例外として、議決権を持ちません。
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