区分所有法第49条の2〜第49条の4は、「理事の代理権」「代理行為の委任」「仮理事」について定めた条文です。
理事の権限に制限を付けた場合の扱い、代理行為を他人へ委任できる条件、理事がいなくなった場合の仮理事について確認します。
条文
(理事の代理権)
第四十九条の二
理事の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
(理事の代理行為の委任)
第四十九条の三
理事は、規約又は集会の決議によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
(仮理事)
第四十九条の四
理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、仮理事を選任しなければならない。
2 仮理事の選任に関する事件は、管理組合法人の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
今回学ぶポイント
- 理事の代理権の制限は善意の第三者に対抗できない
- 理事は条件付きで代理行為を委任できる
- 理事が欠けた場合は仮理事が選任されることがある
- 仮理事は地方裁判所が選任する
第49条の2〜第49条の4の全体像
- 49条の2 → 理事の代理権の制限
- 49条の3 → 代理行為の委任
- 49条の4第1項 → 仮理事
- 49条の4第2項 → 管轄裁判所
この記事では、まず解説部分を確認します。
解説
49条の2|理事の代理権の制限
理事の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
この条文は、理事の代理権の制限について定めています。
理事の代理権に制限を付けても、善意の第三者には主張できません。
つまり、第三者が制限を知らなかった場合は、その制限を理由に対抗できないという条文です。
「善意の第三者」がポイントです。
49条の3|代理行為の委任
理事は、規約又は集会の決議によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
この条文は、代理行為の委任について定めています。
理事は、規約又は集会の決議で禁止されていない場合に限り、特定の行為について代理を他人へ委任できます。
つまり、自由に何でも委任できるわけではなく、条件付きで委任できるという条文です。
「特定の行為」「禁止されていないとき」が試験で狙われやすいポイントです。
49条の4 第1項|仮理事
理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、仮理事を選任しなければならない。
この項は、仮理事の選任について定めています。
理事が欠けた場合に、事務が遅れることで損害が生じるおそれがあるときは、裁判所が仮理事を選任します。
請求できるのは、
- 利害関係人
- 検察官
です。
つまり、理事不在で支障が出る場合に、一時的な理事を裁判所が選ぶという条文です。
「損害を生ずるおそれ」「裁判所」「利害関係人又は検察官」がポイントです。
49条の4 第2項|管轄裁判所
2 仮理事の選任に関する事件は、管理組合法人の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
この項は、仮理事選任の管轄裁判所について定めています。
仮理事の選任事件は、管理組合法人の主たる事務所所在地を管轄する地方裁判所が担当します。
「地方裁判所」が試験で狙われやすいポイントです。
解説図
横長のシンプル図。左「49条の2:代理権制限 → 善意の第三者に対抗不可」。中央「49条の3:禁止されていない+特定の行為 → 委任OK」。右「49条の4:理事欠ける+損害のおそれ → 裁判所が仮理事選任」。下に「地方裁判所」。文字少なめ・矢印中心・試験向け。
練習問題
問題1(49条の2)
理事の代理権に制限を加えた場合、その制限は善意の第三者にも対抗することができる。
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答え:×
解説:
理事の代理権に加えた制限は、善意の第三者には対抗できません。
「善意の第三者」がポイントです。
問題2(49条の2)
理事の代理権に制限を加えた場合でも、第三者がその制限を知らなかったときは、その制限を主張できない。
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答え:○
解説:
第三者が制限を知らない善意の第三者である場合、その制限を理由に対抗することはできません。
問題3(49条の3)
理事は、自由に代理権の全部を他人に委任することができる。
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答え:×
解説:
理事が委任できるのは、特定の行為の代理です。
また、規約又は集会の決議で禁止されていない場合に限られます。
問題4(49条の3)
理事は、規約又は集会の決議によって禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
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答え:○
解説:
49条の3では、「禁止されていないとき」かつ「特定の行為」という条件で委任が認められています。
問題5(49条の4第1項)
理事が欠けた場合、裁判所は必ず仮理事を選任しなければならない。
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答え:×
解説:
理事が欠けただけでは足りません。
「事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるとき」に、裁判所が仮理事を選任します。
問題6(49条の4第1項)
理事が欠け、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は利害関係人又は検察官の請求により、仮理事を選任しなければならない。
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答え:○
解説:
49条の4第1項では、「理事が欠けた」「損害のおそれ」「利害関係人又は検察官の請求」という条件で、裁判所が仮理事を選任すると定めています。
問題7(49条の4第1項)
仮理事の選任を請求できるのは、区分所有者に限られる。
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答え:×
解説:
請求できるのは、利害関係人又は検察官です。
区分所有者に限定されていません。
問題8(49条の4第2項)
仮理事の選任事件は、管理組合法人の主たる事務所所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
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答え:○
解説:
仮理事選任事件は、主たる事務所所在地を管轄する地方裁判所が担当します。
「地方裁判所」が試験で狙われやすいポイントです。
問題9(49条の4第2項)
仮理事の選任事件は、簡易裁判所の管轄に属する。
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答え:×
解説:
管轄は地方裁判所です。
簡易裁判所ではありません。

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