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区分所有法 第46条の4|所有者不明専有部分等に関する訴えの取扱い

区分所有法第46条の4は、所有者不明専有部分等について裁判(訴訟)が起きた場合、誰が当事者になるのかを定めた条文です。所有者が行方不明のままだと裁判が進まないため、管理人が当事者となったり、裁判が一時中断されたりするルールが定められています。試験では、「誰が当事者になるか」「いつ中断するか」「誰が引き継ぐか」が重要です。

目次

条文

(所有者不明専有部分等に関する訴えの取扱い)

第四十六条の四
所有者不明専有部分管理命令が発せられた場合には、所有者不明専有部分等に関する訴えについては、所有者不明専有部分管理人を原告又は被告とする。

2 所有者不明専有部分管理命令が発せられた場合には、所有者不明専有部分等に関する訴訟手続で当該所有者不明専有部分等の所有者(その共有持分を有する者を含む。第五項において同じ。)を当事者とするものは、中断する。

3 前項の規定により中断した訴訟手続は、所有者不明専有部分管理人においてこれを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

4 所有者不明専有部分管理命令が取り消されたときは、所有者不明専有部分管理人を当事者とする所有者不明専有部分等に関する訴訟手続は、中断する。

5 所有者不明専有部分等の所有者は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

今回学ぶポイント

  • 裁判の当事者(原告・被告)は所有者不明専有部分管理人
  • 所有者本人を当事者とする裁判は中断
  • 中断後は管理人または所有者が引き継ぐ

解説

1項|原告・被告は誰になる?

第四十六条の四第一項

所有者不明専有部分管理命令が発せられた場合には、所有者不明専有部分等に関する訴えについては、所有者不明専有部分管理人を原告又は被告とする。

1項は、裁判の当事者(原告・被告)が誰になるのかを定めています。

結論として、所有者不明専有部分等に関する訴えでは、所有者不明専有部分管理人が原告又は被告になります。

所有者が行方不明のままだと裁判が進まないため、所有者本人ではなく、所有者不明専有部分管理人が裁判の窓口になるイメージです。

2項|所有者本人を当事者とする裁判はどうなる?

第四十六条の四第二項

所有者不明専有部分管理命令が発せられた場合には、所有者不明専有部分等に関する訴訟手続で当該所有者不明専有部分等の所有者(その共有持分を有する者を含む。第五項において同じ。)を当事者とするものは、中断する。

2項は、所有者本人を当事者として進んでいた裁判がどうなるかを定めています。

結論として、所有者本人を当事者としていた裁判は、一度中断します。

理由は、管理命令が出たことで、裁判の当事者を所有者本人から管理人へ変更する必要があるからです。

つまり、「所有者本人で裁判」→「管理命令発令」→「一旦中断」という流れになります。

3項|中断した裁判は誰が引き継ぐ?

第四十六条の四第三項

前項の規定により中断した訴訟手続は、所有者不明専有部分管理人においてこれを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

3項は、中断した裁判を誰が引き継ぐのかを定めています。

結論として、中断した裁判は、所有者不明専有部分管理人が引き継ぐことができるとされています。
”できる”なので可能なだけ 引き継ぎ義務はない

また、試験で重要なのが、受継の申立ては相手方も行うことができる点です。

通常は本人しかできなそうに見えますが、相手方にも申立権があることを押さえましょう。

4項|管理命令が取り消されたらどうなる?

第四十六条の四第四項

所有者不明専有部分管理命令が取り消されたときは、所有者不明専有部分管理人を当事者とする所有者不明専有部分等に関する訴訟手続は、中断する。

4項は、管理命令が取り消された後の裁判手続について定めています。

結論として、所有者不明専有部分管理人を当事者としていた裁判は、中断します。

理由は、管理命令が取り消されると、管理人が当事者ではなくなるからです。

つまり、「管理人で裁判」→「管理命令取消」→「一旦中断」という流れになります。

5項|中断後は誰が引き継ぐ?

第四十六条の四第五項

所有者不明専有部分等の所有者は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

5項は、4項で中断した裁判を誰が引き継ぐのかを定めています。

結論として、中断した裁判は、所有者本人が引き継ぐことになります。
所有者は管理人の訴訟を引き継ぐことが義務なので注意

また、3項と同様に、受継の申立ては相手方も行うことができる点が重要です。

「相手方も申立て可能」というルールは、3項・5項共通の試験ポイントです。

解説図

試験ポイント

  • 所有者不明専有部分等に関する裁判の原告・被告は管理人
  • 所有者本人を当事者とする裁判は中断
  • 中断後は管理人が引き継ぐ
  • 管理命令取消後は、管理人を当事者とする裁判が中断
  • 中断後は所有者本人が引き継ぐ
  • 3項・5項ともに、相手方も受継申立て可能
  • 訴訟手続き
    所有者→管理人 引き継ぎ義務なし
    管理人→所有者 引き継ぎ義務あり

練習問題

問題1

所有者不明専有部分管理命令が発せられた場合、所有者不明専有部分等に関する訴えの原告又は被告は、所有者本人となる。

回答を見る

答え:×

原告又は被告となるのは、所有者不明専有部分管理人です。

所有者が行方不明のままだと裁判が進まないため、管理人が裁判の当事者となります。

問題2

所有者本人を当事者として進んでいた所有者不明専有部分等に関する裁判は、所有者不明専有部分管理命令が発せられても、そのまま継続する。

回答を見る

答え:×

所有者本人を当事者としていた裁判は、一度中断します。

その後、所有者不明専有部分管理人が裁判を引き継ぐことになります。

問題3

中断した裁判の受継申立ては、所有者不明専有部分管理人のみが行うことができ、相手方は行えない。

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答え:×

受継申立ては相手方も行うことができます。

「本人だけでなく相手方も申立て可能」が、3項・5項共通の試験ポイントです。

問題4

所有者不明専有部分管理命令が取り消された場合、所有者不明専有部分管理人を当事者とする裁判は中断する。

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答え:○

管理命令が取り消されると、管理人が当事者ではなくなるため、裁判は一度中断します。

問題5

所有者本人を当事者としていた裁判について、所有者不明専有部分管理人は、その裁判を必ず引き継がなければならない。

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答え:×

3項では、所有者不明専有部分管理人は、「受け継ぐことができる」とされています。

つまり、管理人が裁判を引き継ぐかは任意であり、義務ではありません。

「できる」=任意である点が試験ポイントです。

問題6

所有者不明専有部分管理命令が取り消され、中断した裁判については、所有者本人がこれを受け継がなければならない。

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答え:○

5項では、所有者は、中断した訴訟手続を受け継がなければならないとされています。

つまり、所有者には引継ぎ義務があります。

「しなければならない」=義務である点を押さえましょう。

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